不登校のはじまり

春休みが終わると、新しい学年のスタートです。
クラス替えにドキドキしながら娘は学校へ行きました。

担任の先生は優しく
仲良しの友達と同じクラスになり「もう大丈夫」と一安心。

しかし、宿題にものすごく時間がかかるようになったのです。

小4になって1週間後
宿題が終わらなかった夜に「もう学校行かない!」と娘は泣き出しました。
小3の終わりに学校へ行けなくなったのも
宿題ができなかったから。

段取りよく宿題ができるように打つ手を考えなければ……
私はそう思っていました。

不登校でお悩みのお母さま
子どもが学校へ行かなくなる「きっかけ」を解決すれば
また学校へ行くと思っていませんでしたか?

目次

魔の漢字ノート

小4になって漢字の宿題が増えました。
とはいっても、何時間もかかるほどの量ではありません。

どうしてこんなに時間がかかるのだろうと
娘の様子を見ていると……

何度も書き直してきれいに丁寧に仕上げているのです。
まるでお手本のような漢字ノートを私に見せて、娘が言いました。

〇〇先生は、きれいに書けていたら花マル。
すごーくきれいに書けていたら植木鉢を描いてくれる。
チョウチョが描いてあると「参りました!」って意味なの。

先生も子どもたちのモチベーションを上げるため
いろいろ工夫されているんだなぁと思いました。

娘はチョウチョを描いて欲しくて
毎日必死で漢字ノートに取り組みます

昨日よりも上手に書かなきゃ。明日こそ絶対チョウチョもらうぞ!

書いては消して書いては消しての繰り返し。
きれいに書いているけれど
なかなかチョウチョは描いてもらえないのです。

イライラする私

漢字の宿題に時間をかけすぎる娘が気になります。

すごい!お手本みたいな字だね。
きれいに書けているから消さないでー。

何度も声かけして、褒めて
消しゴムを使わせないようにしました。

書いては決してを繰り返す娘に私はイライラしていたのです。

早く宿題終わらせてよ……
もう晩御飯の時間になるよ……

一生懸命に漢字を書いている娘に共感できません。

チョウチョなんてもらえなくてもいいから
早くお風呂に入って、早く寝て欲しかった。

私のイライラは大きくなるばかりです。

まだ終わらないの?
早くご飯食べて💢
早くお風呂に入って💢
早く寝ないと明日起きられないよ!

漢字の宿題が終わると娘はもうヘトヘト。
次の日の朝、少し元気のない様子で登校しました。

力尽きた娘

下校時刻になると、私はそわそわしてきました。

通学路の途中までゆっくり迎えに行くと
うつむいてとぼとぼ歩く娘の姿が遠くに見えます。

私に気づいた娘は走りだしました。

近くに来るにつれて娘の表情がはっきりとわかります。
泣くのをこらえている顔。
私のもとへ着いたときは涙が頬をつたっていました。

あぁ、きっと明日から学校へ行かないな。
どうしよう……

帰宅してお菓子を食べながら、娘がぽつりと言いました。

今日もチョウチョ描いてもらえなかった。
○○ちゃんは私より汚い字なのにチョウチョが描いてあった。
どれだけきれいに書いても私はもらえないんだ。
どうしてだろう。

その日、夜中12時を過ぎても漢字の宿題は終わりませんでした。
書いては消して、書いては消して、ノートはボロボロ。
涙でふにゃふにゃになったノートを見て娘は言いました。

もう、できない。

この時間になるまで、私は何度も声かけをしました。

すごい頑張ったね。
明日もチョウチョもらえなかったら、お母さんが描いてあげる。

こんな言葉、娘にとっては何の意味もありません。

宿題できないから、学校行けない。

最後に

次の日の朝、娘は起きられませんでした。

学校へ休みの連絡をしてしばらくすると
副校長から折り返しの電話がありました。

きっと気にかけて下さっていたのでしょう。
私は、泣きながら昨日の娘の様子を話しました。

心配した副校長は家に来て下さり
娘の漢字ノートを見ます。

「お母さん、しんどかったですね。
今日は、お母さんも○○ちゃんもゆっくり休んでくださいね。」

娘は、その日からぱったりと学校へ行かなくなります。

新しい学年がはじまり
心機一転、楽しい学校生活になりますように
という私の願いは届きませんでした。

不登校でお悩みのお母さま
子どもが学校へ行かなくなる「きっかけ」を見つけて
私と同じように解決しようとしていませんでしたか?

「きっかけ」は表面的なものに過ぎません。
不登校の根本の原因はもっと深くにあるのです。

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