不登校とHSPの関係を考える | 繊細さんは学校が辛いんだよ

「学校に行きたくない」と登校を渋る我が子の姿に胸が痛んでいるママはいませんか?学校に行きたくない理由は一体何なのでしょうか?もしかすると、HSP気質が強い傾向にあるのかもしれません。HSPの子どもは、音や光、匂いなどの感覚が敏感すぎて学校環境に馴染めないケースがあります

この記事では、そんな繊細さんの特性や不登校に至る背景、上手な関わり方などをお伝えします。HSP気質を理解し、その気質を生かしながら不登校を乗り越える糸口が見つかるでしょう。ぜひ参考にしてくださいね。

目次

HSPとは?不登校との関係性

HSPとは”Highly Sensitive Person”の頭文字をとった言葉です。いわゆる「繊細さん」と呼ばれる方にあてはまる言葉かもしれません。HSPは一般的には人口の15〜20%程度といわれています。つまり、5人に1人があてはまる性質なのです。

ここでは、HSP傾向にある子どもは具体的にどのような特徴があるのか、どうして学校生活が苦しいのかを解説します。

HSPとはどういう気質?

HSPの子どもは、五感が敏感で細やかな面がある一方、外からの刺激を強く受け止めてしまう特徴があります。例えば、小さな音や微かな匂いにも敏感に反応したり、感情移入しやすかったりするのがHSPの典型といえるでしょう。

HSP気質が強い傾向にある子どもは、まわりの空気を敏感に感じ他者の気持ちを必要以上に読み取ります。それゆえ、ストレスを溜め込みやすく疲労感を覚えやすいのも特徴といえるでしょう。

HSPの繊細さが学校生活を苦しめる

HSPの子どもにとって、学校環境は刺激の連続かもしれません。例えば、教室の蛍光灯の眩しさや生徒児童の大きな声、給食の臭いなどもHSPの子どもは敏感に受け止めてしまうのです。刺激を受け続けると疲れやストレスが溜まるのはいうまでもありません。

さらに、HSPの子どもは他者との関わりに敏感なため、集団生活に疲れを感じます。場の空気を必要以上に読み取るため人間関係の問題にも引っかかりやすいといえるでしょう。HSPの子どもにとって大人数がいる環境は、精神的に大きな負担となり得るのが実情です。

このように、HSPの子どもにとって学校環境は過酷な面があり、ストレスを抱え込みすぎて不登校になってしまうケースは少なくありません。

HSPの子どもへのサポート方法

HSP傾向にある子どものママは、学校生活を心配したり不登校に悩んだりしていませんか?家庭や学校において、HSPの子どもに寄り添う環境が整っていれば、不登校になる心配はありません。

まわりの大人のサポートや関わりから、自分の感受性を強みに変えられるようになれば、ストレスを抱え込まず学校生活を送れるでしょう。ここでは、一番近くにいるママ、そして学校ができるHSPの子どもへのサポートについて考えていきます。

ママができるサポートとは

まず何より大切なのは、ママがHSPの特性を受け入れ子どもの感受性を理解することです。HSP傾向が強い子どもは、繊細で臆病に見えるかもしれません。しかし、それは敏感な一面からくる行動なのです。

HSPの子どもは、些細なことで傷つきやすく、小さな出来事を大げさに感じがちです。ママが、子どもの気持ちを尊重して共感する姿勢がとっても大事。子どもとの関わりは、以下の点を意識するといいでしょう。

  • 言語化する手伝い→感情を上手に表現できないときは気持ちに気づかせてあげる
  • 消化不良を起こさせない→何かに熱中しているときは邪魔しない
  • 安心できる空間づくり→1人で過ごせる空間や落ち着ける場所を確保する

「〇〇するとき、どんな気持ちだった?」と感情を気づかせる働きかけは、非常に有効です。自分の気持ちに気づけた子どもは、感情をコントロールする力が少しずつ身につきます。さらに、リフレッシュの時間を十分に確保できれば、子どもはストレスを抱え込まず気持ちが楽になるでしょう。

このように、ママがHSPの特性を理解し適切なサポートをすれば不登校を過度に心配する必要はありません。

学校ができるサポートとは

家庭だけでなく学校側も、HSPの子どもの特性を汲み取る適切な配慮は不可欠です。スクールカウンセラーと連携してHSPの特性や心理的な課題を認識し、子どもに合わせた指導のあり方を検討する必要があります。

例えば、以下のようなサポート方法があります。

  • 声のかけ方や質問の仕方を工夫→気持ちの整理ができるように手助けする
  • 必要に応じて個別対応→雑音を気にしたり集中力が切れたりしたときのための別室設置
  • クラス替えの配慮→人間関係の不安を軽減する

学校においてもHSPの特性を理解しサポート体制が整っていれば、HSP傾向の強い子どもは学校生活に苦しさを感じることなく過ごせるはずです。

HSPの子どもが不登校になったら

もし、HSP傾向の強い子どもが不登校になったら、親としてできることは子どもの心情を汲み取り寄り添ってあげることです。学校へ行くのがあたりまえだったママは、子どもの不登校を理解しづらいかもしれません。しかし、子どもの内面に寄り添い受け入れる姿勢が何より大切なのです。

子どもの心を理解する

不登校になったHSPの子どもは、学校での刺激や人間関係に耐えられず心にブレーキがかかった状態です。HSPの子どもにとって、教室の環境は過酷な刺激の連続だったかもしれません。また、まわりの友達や先生に気を使いすぎてストレスでいっぱいになったとも考えられます。

繊細さから来る不安やストレスが、登校意欲を失わせてしまったといえるでしょう。本来の持ちあわせている好奇心や向上心が発揮できないまま、精神的に追い詰められてしまったのかもしれません。

ママは「この子ならもっと頑張れるはずなのに」など、期待を押し付けるのではなく子どもの立場になって共感し心を癒してあげてください。ママの共感と家にいられる安心感があれば、子どもは自分を受け入れられるようになります。

適切なコミュニケーションが大事

子どもが不登校になったら、適切なコミュニケーションをとって親子の信頼関係を築くのはとても大切です。HSPの子どもは非言語を読み取る天才です。ママが言葉ではどんなに寄り添っていても、心から発している言葉でなければ子どもは見抜きます。声のトーンや態度で深く心を痛め、自己否定してしまう可能性もあるでしょう。

不登校になった場合は「もっと頑張れるでしょ!」と責めるのではなく「今は休憩が必要なんだね」の心からの共感がなにより大切。不用意な言葉がフラッシュバックを引き起こし、トラウマを植え付ける可能性もあります。言葉づかいには気をつけて適切なコミュニケーションを心がけてくださいね。

繊細さんの不登校解決策

不登校になった子どもに対して、ママが焦って学校へ戻そうとするのは逆効果です。子どもの心の状態にあわせて、スモールステップで前進できるような働きかけをしながら解決策を見いだしていくといいでしょう。

  • まずは子どもが安心できる場所を作る
  • 好きなことを好きなだけさせてあげる
  • 勉強のプレッシャーを与えない

以上の点を意識して焦らずゆっくり過ごしていれば、次第に子どものこころに余裕が出てきます。子ども自身が勉強の遅れを気にするようになれば、家庭での学習環境を整えていきましょう。自分のペースで進められるオンライン学習を取り入れたり家庭教師に来てもらったりするのもいいかもしれません。

また、登校意欲が出てきたら学校側と相談して復学に向けた働きかけをしていきましょう。

HSPの子どもの関わり方

HSPの子どもが持つ”敏感さ”や”繊細さ”は子どもそれぞれです。HSPは病気や障がいとは異なるので、心理面に寄り添う関わり方をすれば敏感さや繊細さからくる不安は和らぎます

ここでは、HSPの子どもとの関わり方について解説します。適切な関わり方をすれば、子どもの健全な成長の後押しにつながるでしょう。

不安や自己否定に対処する方法

HSPの子どもは、想像力から来る恐れや心配、気づかいから生まれる人間関係の不安などを抱えやすい傾向にあります。その心配や不安に対処できず不登校になった子どもは、例外なく自己否定感を持っているでしょう。

HSPの子どもには「〇〇を心配しているんだね」と気持ちを受け止めたうえでの共感が重要です。子どもからネガティブな発言があっても、なんとかしようとなだめたりせずありのままを受け止めてあげると子どもの自己否定は和らいでいくでしょう。

自己肯定感を高める方法

HSPの子どもの自尊心は傷つきやすく、自己否定に陥りがちです。しかし、HSPならではの強みを伝えたり、子どもの個性や持ち味を認めてあげたりすると、子どもは次第に自分の価値に気づき自信を持つようになるでしょう。

小さな頑張りを積極的に称えてあげると、子どもの自信につながります。一方で、子どもにプレッシャーをかけるような褒め方には気をつけなければなりません。「あなたはもっとできるはず」という期待は、子どもを追い詰めてしまいます。

子どもの自己肯定感を高めるうえで重要なのは、受容と共感です。HSPの特性を理解し、子どもの強みに目を向ければ、自己肯定感は高まります。

子どもの時間を大切に

HSP傾向が強い子どもには、自分の世界に浸れる空間と時間が必要です。HSPの子どもに限らず、好きなことに好きなだけ没頭できる環境があれば子どもはストレスなく成長できるでしょう。

外出から戻ったら、ひと息つける時間を意識的に作るのは大切。HSPの子どもは、音や臭いに敏感に反応しすぎて帰宅すると疲労感でいっぱいです。ママが想像する以上にストレスを溜め込んでいる可能性もあるので、ゆっくりと過ごせる時間を確保してあげてください。

最後に | HSPの感性を活かして不登校を乗り越える

HSPの子どもは敏感で繊細な気質ゆえに、学校生活や人間関係でストレスを溜めやすい傾向にあります。そのため、不登校になってしまうケースも少なくありません。不登校になったときは、子どもの気持ちに寄り添い共感的な態度で接するのが何より大切です

子どもの感受性を理解し、安心できる環境を整えれば、次第に活動する意欲が芽生えてくるでしょう。ママが子どものHSPの特性を受け入れ、強みを伸ばす働き替えをするサポートを心がければ、子どもの自己肯定感は高められ過度に不登校を心配する必要はありません。

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