最近、娘はパン作りにハマっている。
ベーコンエピにメロンパン、クリームパン、さつまいもデニッシュ……
ラインナップが、もうちょっとしたパン屋レベル。
しかも、どれも本当に美味しいの。
外はパリッと香ばしくて、中はふわっふわ。
「娘よ、これはもしかして才能…?」と毎回感心する。
こね具合、発酵時間、焼き加減。
“おいしい”のために工夫を重ねる姿を見ていると、
「この子、こんなに根気があったんだ」って思う。
でもさ、母は今、絶賛ダイエット中なのよ。
なのに焼きたてのパンの匂いをかぐと、理性なんてイースト菌の前では無力。
「今日は味見だけね」と言いながら、気づけばひとかけ、もうひとくち。
パンの誘惑、恐るべし。
だから決めた。食べた分は、必ずウォーキングで帳尻を合わせる。
ベーコンエピ=約6,000歩。
メロンパン=+2,000歩。
デニッシュは、もはや“覚悟の1万歩”。笑
そんな“パン換算ウォーキング”を続けていたら、少しずつ体重が減ってきた。
しぶといあたしの脂肪も、ようやく観念してくれたらしい。
そして今朝。
娘の焼いたパンと、夫が淹れたコーヒーで迎える最高の朝。
実はあの人、出会った頃はコーヒーが苦手だった。
でも、あたしが少しずつ「コーヒーの世界って奥が深いんだよ〜」なんて話していたら、まんまと(?)ハマってくれて。
いまやすっかり“豆から挽く男”に。
こだわりのミルを手に入れ、ドリップポットの注ぎ方にも研究熱心。
朝はキッチンで湯気を見つめながら、静かにコーヒーを淹れている。
最近は出張先で“ご当地豆”を探すのが密かな楽しみらしく、帰宅すると「今回はエチオピアの浅煎りだよ」とうれしそうに渡してくれる。もはや趣味を通り越して、仕入れの域。
そんな我が家の朝は、パンの甘い香りとコーヒーの深い香りがふわりと混ざる。
その匂いの中に、少し前までは想像できなかった穏やかさがある。
不登校で悩んでいた時期も、夫が仕事に追われていた時期もあった。
それぞれのペースで、家族が少しずつ自分の“好き”を見つけて、いまはこうして並んで朝食を囲んでいる。
思えば、幸せって、派手な出来事じゃないのかもしれない。
ダイエット中でも、パンを我慢せずに食べて、その分を歩いて帳尻合わせるように、足りないものを少しずつ埋めながら生きていく。
そんなバランスでいいのかも。
今日も焼きたてのパンと、丁寧に淹れたコーヒー。
そして、どこかでちゃんと頑張っている自分。
あぁ、悪くない朝だ。
あたし、なかなか幸せなジージュー☆ライター。
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