渡辺貞夫カルテットの演奏を聴いた。最初の一音で鳥肌が立った。
メンバーは、小野塚晃(piano)、三嶋大輝(bass)、竹村一哲(drums)、そして渡辺貞夫(alto saxophone)。
とにかく、全員すごかった。会場に響き渡るそれぞれの音が、身体の奥に心地よく届いた。
渡辺貞夫さんが90歳を超えてるって驚き。あの肺活量、そしてあの楽しそうな表情。艶っぽい音にマジで感動。
正直、あたしは長生きしたいタイプじゃない。動けない身体になってまで生きることは望んでない。でも、あんなふうに笑って、音を出して、人を幸せにしている92歳を見たら、素直に「生きていたい」って思えた。
見惚れたのは、メンバーとの掛け合い。pianoがすっと寄り添えば、bassが包み込み、drumsがリズムで会話をつなぐみたい。そこに渡辺さんのalto saxophoneがふっと舞い降りて、音が重なっていく瞬間の美しさといったら。
90歳を超えてもステージに立ち、仲間と音で会話している姿に、ただただ感動した。あの背中に、「続ける」ことの意味を見た気がした。
音楽ってすごい。たった数分の演奏で、人の心を動かす。しかも、説明なしで心の奥を震わせる。理屈じゃないんだね。言葉を超えて、何かが届く。そんな夜だった。
帰り道、夜風にあたりながら考えた。あたしも、自分の「好き」を続けていきたい。書くことでも、なんでも。静かにでも、ちゃんと誰かの心に届くように。


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